呻吟語 / 外篇・世運・有涯を以て無涯に足らしむ
造物有涯而人情無涯,以有涯足無涯,勢必爭,故人人知足則天下有餘。造物有定而人心無定,以無定撼有定,勢必敗。
新字:造物有涯而人情無涯,以有涯足無涯,勢必争,故人人知足則天下有余。造物有定而人心無定,以無定撼有定,勢必敗。
書き下し
造物は涯有りて人情は涯無し。有涯を以て無涯に足らしめんとすれば、勢必ず爭ふ。故に人人足るを知れば則ち天下餘り有り。造物は定まり有りて人心は定まり無し。無定を以て有定を撼かさば、勢必ず敗る。
現代語訳
造物には限りがあり、人の情には限りがありません。限りあるもので限りないものを満たそうとすれば、必ず争いになります。だから一人一人が足るを知れば、天下には余りが出ます。造物には定まりがあり、人の心には定まりがありません。定まりの無いもので定まりのあるものを揺さぶれば、必ず敗れます。
解説
限りある資源と限りない欲を対比し、争いの必然を示します。そして解決は増産ではなく、足るを知ることに置かれます。一人一人が足るを知れば天下に余りが出るという言い方が明快です。後半では定と不定の対比が続き、定まりの無い心で定まりを揺さぶれば敗れるとされます。解決を増産ではなく、足るを知ることに置いています。
この章句が説くこと
有限無限知足争い資源
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