呻吟語 / 外篇・世運・四截の世道
伏羲以前是一截世道,其治任之而已,己無所與也。五帝是一截世道,其治安之而已,不擾民也。三王是一截世道,其治正之而已,不使縱也。秦以後是一截世道,其治劫之而已,愚之而已,不以德也。
新字:伏羲以前是一截世道,其治任之而已,己無所与也。五帝是一截世道,其治安之而已,不擾民也。三王是一截世道,其治正之而已,不使縦也。秦以後是一截世道,其治劫之而已,愚之而已,不以徳也。
書き下し
伏羲以前は是れ一截の世道、其の治は之に任すのみ、己は與る所無し。五帝は是れ一截の世道、其の治は之を安んずるのみ、民を擾さず。三王は是れ一截の世道、其の治は之を正すのみ、縱にせしめず。秦以後は是れ一截の世道、其の治は之を劫すのみ、之を愚にするのみ、德を以てせず。
現代語訳
伏羲より前は一つの世の道で、その治めかたはただ任せるだけで、自分は関わりません。五帝は一つの世の道で、その治めかたはただ安んじるだけで、民を騒がせません。三王は一つの世の道で、その治めかたはただ正すだけで、勝手にさせません。秦より後は一つの世の道で、その治めかたはただ脅すだけ、愚かにするだけで、徳によりません。
解説
歴史を四つの区切りに分け、治め方の変化を一語ずつで示します。任せる、安んじる、正す、脅す。時代が下るほど手を加える度合いが増し、最後は徳が消えます。統治史を四字で要約する手際が鮮やかで、しかも現在が最下段に置かれているのがこの書らしいところです。統治史を四字で要約する手際が鮮やかで、しかも現在が最下段に置かれているのがこの書らしいところです。
この章句が説くこと
統治史四段任せる脅す退化
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