呻吟語 / 外篇・天地・白は少明の色
雪非薰蒸之化也。天氣上升,地氣下降,是乾涸世界矣。然陰陽之氣不交則絕,故有留滯之餘陰,始生之嫩陽,往來交結,久久不散而迫於嚴寒,遂為雪為霰。白者,少明之色也,水之母也。盛則為雪,微則為霜,冬月片瓦半磚之下著濕地,皆有霜,陰氣所呵也,土乾則否。
新字:雪非薫蒸之化也。天気上升,地気下降,是乾涸世界矣。然陰陽之気不交則絶,故有留滞之余陰,始生之嫩陽,往来交結,久久不散而迫於厳寒,遂為雪為霰。白者,少明之色也,水之母也。盛則為雪,微則為霜,冬月片瓦半磚之下著湿地,皆有霜,陰気所呵也,土乾則否。
書き下し
雪は薰蒸の化に非ざるなり。天氣上升し、地氣下降するは、是れ乾涸の世界なり。然れども陰陽の氣交はらざれば則ち絕ゆ。故に留滯の餘陰、始生の嫩陽有り、往來交結して久久散ぜずして嚴寒に迫らば、遂に雪と為り霰と為る。白は、少明の色なり、水の母なり。盛んなれば則ち雪と為り、微なれば則ち霜と為る。冬月の片瓦半磚の下、濕地に著けば、皆な霜有り。陰氣の呵する所なり。土乾けば則ち否ず。
現代語訳
雪は蒸し上がってできるものではありません。天の気が上り地の気が下るのは、乾ききった世界です。しかし陰陽の気が交わらなければ絶えてしまいます。だから留まり残った陰と、生まれたばかりの若い陽があり、行き来し結び合って長く散らず、厳しい寒さに迫られて、ついに雪となり霰となります。白は少し明るい色で、水の母です。盛んなら雪になり、微かなら霜になります。冬に一片の瓦や半分の煉瓦の下、湿った地面に接していれば、どれも霜がついています。陰の気が息を吐いたものです。土が乾いていればつきません。
解説
雪の成り立ちを、陰陽の交わりから説明します。そして瓦や煉瓦の下の霜という、身近な観察が添えられます。湿った地面にはつき、乾いていればつかない。理論の後に確かめられる例を置くのがこの人の書き方で、机上の説明で終わらせない姿勢が現れた一段になっています。理論の後に確かめられる例を置くのが、この人の書き方です。机上の説明で終わらせない姿勢が現れています。
この章句が説くこと
雪霜陰陽観察検証身近
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