呻吟語 / 外篇・天地・皆な母に歸す
天地萬物到頭來皆歸於母。故水、火、金、木有盡,而土不盡。何者?水、火、金、木,氣盡於天,質盡於地,而土無可盡。故真氣無歸,真形無藏。萬古不可磨滅,滅了更無開闢之時。所謂混沌者,真氣與真形不分也。形氣混而生天地,形氣分而生萬物。
新字:天地万物到頭来皆帰於母。故水、火、金、木有尽,而土不尽。何者?水、火、金、木,気尽於天,質尽於地,而土無可尽。故真気無帰,真形無蔵。万古不可磨滅,滅了更無開闢之時。所謂混沌者,真気与真形不分也。形気混而生天地,形気分而生万物。
書き下し
天地萬物は頭に到り來たれば皆な母に歸す。故に水・火・金・木は盡くる有りて、土は盡きず。何となれば、水・火・金・木は、氣は天に盡き、質は地に盡く。而して土に盡く可き無ければなり。故に真氣に歸する無く、真形に藏する無し。萬古磨滅す可からず。滅し了はれば更に開闢の時無し。所謂る混沌なる者は、真氣と真形と分かれざるなり。形氣混じて天地を生じ、形氣分かれて萬物を生ず。
現代語訳
天地万物は行き着けばみな母に帰ります。だから水火金木には尽きることがあり、土には尽きることがありません。水火金木は、気が天で尽き、質が地で尽きます。しかし土には尽きるところがありません。だから真の気には帰る先が無く、真の形には蔵まる先がありません。万古にわたって磨滅しません。滅びてしまえば、もう開ける時が来ません。混沌とは、真の気と真の形が分かれていない状態です。形と気が混じって天地を生み、形と気が分かれて万物を生みます。
解説
五行のうち土だけが尽きないとし、それを母と呼びます。他の四つは天と地に還りますが、土には還る先がありません。だから磨滅せず、混沌として残る。そして混沌から天地が、分かれて万物が生まれるとされます。循環の底に一つだけ減らないものを置く構図で、前に出てきた元気の議論と重なる一段です。循環の底に、一つだけ減らないものを置く構図です。
この章句が説くこと
土母不滅混沌五行
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