呻吟語 / 外篇・天地・九氣を變じて中氣に歸す
似氣,五行假借之氣也。大氣,磅磅渾淪之氣也。細氣,纖蒙浮渺之氣也。間氣,積久充溢會合之氣也。變氣,偶爾遭逢之氣也。常氣,流行一定之氣也。萬物各有所受以為生,萬物各有所屬以為類,萬物不自由也。惟有學問之功,變九氣以歸中氣。
新字:似気,五行仮借之気也。大気,磅磅渾淪之気也。細気,繊蒙浮渺之気也。間気,積久充溢会合之気也。変気,偶爾遭逢之気也。常気,流行一定之気也。万物各有所受以為生,万物各有所属以為類,万物不自由也。惟有学問之功,変九気以帰中気。
書き下し
似氣は、五行假借の氣なり。大氣は、磅磅渾淪の氣なり。細氣は、纖蒙浮渺の氣なり。間氣は、積久充溢會合の氣なり。變氣は、偶爾遭逢の氣なり。常氣は、流行一定の氣なり。萬物各おの受くる所有りて以て生と為し、萬物各おの屬する所有りて以て類と為す。萬物自由ならざるなり。惟だ學問の功のみ、九氣を變じて以て中氣に歸す。
現代語訳
似た気は、五行が借り物になった気です。大きな気は、広々と混ざり合った気です。細かな気は、細く薄くかすんだ気です。間の気は、長く積もり満ちあふれて合わさった気です。変わった気は、たまたま出くわした気です。常の気は、絶えず流れる一定の気です。万物はそれぞれ受けたものによって生を得て、それぞれ属するところによって類となります。万物は自由ではありません。ただ学問の働きだけが、九つの気を変えて中の気に帰すことができます。
解説
残る六つの気を示したうえで、結論が置かれます。万物は受けた気に縛られて自由ではない。しかし人だけは学問によって、九つの気を中の気に変えられる。生まれつきの決定論を認めたうえで、唯一の抜け道を学問に置いた一段です。前に出てきた、学問の要訣は気質の変化だという段と同じ主張になっています。生まれつきの決定論に、学問という抜け道を置いています。
この章句が説くこと
気質決定論学問変化中
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