呻吟語 / 外篇・天地・其の禍福固より亦た小ならず
彼天下萬世之所以仰慕欽承痰惡笑罵,其禍福固亦不小也。
新字:彼天下万世之所以仰慕欽承痰悪笑罵,其禍福固亦不小也。
書き下し
彼の天下萬世の仰慕欽承し痰惡笑罵する所以は、其の禍福固より亦た小ならざるなり。
現代語訳
天下万世の人が仰ぎ慕い敬い受け継ぐか、憎み笑い罵るか。その禍福はもとより小さくありません。
解説
前の段を受けて、名の重さを結論づけます。後の世の人が仰ぐか罵るか、それ自体が大きな禍福だ、と。生きているあいだの俸禄や健康と違い、こちらは死後にわたって続きます。禍福という語を、身に起きることから評判へ広げた形で、二段で一つの議論が完結しています。禍福という語を、身に起きることから評判へ広げています。生きているあいだに限らず、死後まで続く点が要です。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見るこの章句が説くこと
名後世評判禍福持続
関連する章句
-
尚書・咸有一德七世の廟は、以て徳を観るべし。万夫の長は、以て政を観るべし。
-
『墨子』公孟二三子、子墨子に復して曰く、「告子は仁を為すに勝えたり」と。子墨子曰く、「未だ必ずしも然らざるなり。告子の仁を為すは、譬うれば猶お跛にして以て長しと為し、隠にして以て廣しと為すがごとし。久しかる可からざるなり」と。
-
『呻吟語』内篇・存心・千金の子の盜を防ぐがごとし千日義を集むるも、一刻も心に慊らざるを禁じ得ず。是を以て君子は瞬存息養し、一刻も道義の上に在らざること無し。其の不義を防ぐや、千金の子の盜を防ぐがごとし、餒うるを懼るるの故なり。
-
『囲炉夜話』第百三十則・川は海を學びて海に至る川は海を學びて海に至る、故に道を謀る者は、止心有るべからず。 莠は苗に非ずして苗に似たり、故に理を窮むる者は、真見無かるべからず。
-
論語・顔淵篇子張、政を問う。子曰く、「之に居りて倦むこと無く、之を行うに忠を以てす。」
-
『後世への最大遺物』第一回・上から掘れ、おれは下から掘る「われわれのような貧乏人で、貧乏人には何も大事業を遺して逝くことはできない」というと、弟が兄に向っていうには、「この山をくり抜いて湖水の水をとり、水田を興してやったならば、それが後世への大なる遺物ではないか」というた。兄は「それは非常に面白いことだ、それではお前は上の方から掘れ、おれは下の方から掘ろう。一生涯かかってもこの穴を掘ろうじゃないか」といって掘り始めた。それでどういうふうにしてやりましたかというと、そのころは測量器械もないから、山の上に標を立てて、両方から掘っていったとみえる。それから兄弟が生涯かかって何もせずに……たぶん自分の職業になるだけの仕事はしたでございましょう……兄弟して両方からして、毎年毎年掘っていった。