呻吟語 / 外篇・天地・悟は頓なる能ふも、成は頓なる能はず
故悟能頓,成不能頓。
書き下し
故に悟は頓なる能ふも、成は頓なる能はず。
現代語訳
だから悟りは一足飛びにできても、成し遂げることは一足飛びにできません。
解説
前の段を受けた一行の締めです。悟ることと成すことを分け、前者だけに一足飛びを認めます。談道篇にも同じ主旨の段がありましたが、ここでは天地万物の漸の議論を踏まえた結論として置かれています。悟ったから終わりではないという釘刺しで、二段で一つの議論が完結する形です。悟ったから終わりではない、という釘刺しになっています。
この章句が説くこと
悟成就頓漸区別締め
関連する章句
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『呻吟語』内篇・問學・頓の字は無根の學問天地萬物は只だ是れ個の漸なり。理氣は原と是の如し。漸ならざらんと欲すと雖も得ず。而るに世儒は好んで一の頓の字を講ず。便ち是れ無根の學問なり。
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『呻吟語』内篇・談道・悟に頓有り、修に頓無し悟に頓有り、修に頓無し。志を堯に立つれば、即ち一念の堯なり。一語舜に近ければ、即ち一言の舜なり。一行孔を師とすれば、即ち一事の孔なり。而るを況んや悟をや。若し一個の堯・舜・孔子を成さば、真積力充ち、斃れて後已むに非ざれば能はず。
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『呻吟語』外篇・天地・而るを況んや人に於てをや天地萬物は只だ是れ一個の漸なり。故に能く成り、故に能く久し。物を成す所以の悠は、漸の象なり。久は、漸の積なり。天地萬物すら頓なる能はず、而るを況んや人に於てをや。
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『呻吟語』外篇・治道・頓と漸天下の勢ひは、頓は為す可きなり、漸は為す可からざるなり。頓の來たるや驟なり、漸の來たるや遠し。頓の力を著くるは終はりに在り、漸の力を著くるは始めに在り。
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『呻吟語』外篇・品藻・其の後學を誤ること細ならず故に頓漸の兩門は、各おの資性に緣る。今人は一貫を以て入門上等の天資と為し、自ら是れ了悟にして、中人に望む所に非ずとす。其の後學を誤ること細ならず。
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『呻吟語』外篇・世運・頓は終に力を著け、漸は始めに力を著く天下の勢は頓は為す可きも、漸は為す可からず。頓の來たるや驟驟にして多く根無し。漸の來たるや深深にして則ち撼かし難し。頓は力を著くること終に在り、漸は力を著くること始めに在り。