呻吟語 / 内篇・問學・頓の字は無根の學問
天地萬物只是個漸,理氣原是如此,雖欲不漸不得。而世儒好講一頓字,便是無根學問。
新字:天地万物只是個漸,理気原是如此,雖欲不漸不得。而世儒好講一頓字,便是無根学問。
書き下し
天地萬物は只だ是れ個の漸なり。理氣は原と是の如し。漸ならざらんと欲すと雖も得ず。而るに世儒は好んで一の頓の字を講ず。便ち是れ無根の學問なり。
現代語訳
天地万物はただ次第に進むものです。理も気ももともとそうなっていて、次第に進まないでいようとしても、そうはいきません。それなのに世の儒者は一気に悟るという字を好んで論じます。それは根の無い学問です。
解説
一気の悟りを説く風潮を、根の無い学問だと退けます。理由は自然がそうなっていないからで、天地万物はすべて次第に進むという観察に立っています。談道篇にあった、無息有漸の四字と同じ主張です。近道を求める気持ちを、自然の側から封じる論法になっており、焦りへの静かな反論として読めます。近道を求める気持ちを、自然の側から封じる論法です。
この章句が説くこと
漸進頓悟自然近道根
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