呻吟語 / 外篇・天地・自然を奪ふ者は、惟だ至誠
天地全不張主,任陰陽;陰陽全不擺佈,任自然。世之人趨避祈禳徒自苦耳。其奪自然者,惟至誠。
書き下し
天地は全く張主せず、陰陽に任す。陰陽は全く擺佈せず、自然に任す。世の人の趨避祈禳は徒らに自ら苦しむのみ。其の自然を奪ふ者は、惟だ至誠なり。
現代語訳
天地はまるで取り仕切らず、陰陽に任せています。陰陽もまるで差配せず、自然に任せています。世の人が吉を求め凶を避け祈り祓うのは、ただ自分を苦しめるだけです。その自然を動かせるものは、ただこの上ない誠だけです。
解説
天地も陰陽も何も取り仕切っていないという、突き放した自然観から始まります。だから祈りも祓いも効かず、自分を苦しめるだけ。しかし最後に一つだけ例外が示されます。至誠だけが自然を動かす、と。祈祷を退けながら誠を残すという構成で、どこに力を注ぐべきかがはっきりします。祈祷を退けながら誠を残すという、構成になっています。
この章句が説くこと
自然祈祷至誠無主宰例外
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