呻吟語 / 外篇・天地・水は柔に入りて剛に入らず
水質也,以萬物為用;火氣也,以萬物為體。及其化也,同歸於無跡。水性徐,火性疾,故水之入物也,因火而疾。水有定氣,火無定氣,放火附剛則剛,附柔則柔,水則入柔不入剛也。
新字:水質也,以万物為用;火気也,以万物為体。及其化也,同帰於無跡。水性徐,火性疾,故水之入物也,因火而疾。水有定気,火無定気,放火附剛則剛,附柔則柔,水則入柔不入剛也。
書き下し
水は質なり、萬物を以て用と為す。火は氣なり、萬物を以て體と為す。其の化するに及びては、同じく無跡に歸す。水の性は徐に、火の性は疾なり。故に水の物に入るや、火に因りて疾し。水に定氣有り、火に定氣無し。故に火は剛に附けば則ち剛、柔に附けば則ち柔なり。水は則ち柔に入りて剛に入らざるなり。
現代語訳
水は質であり、万物を用とします。火は気であり、万物を体とします。変化し終われば、どちらも跡の無いところに帰ります。水の性質は緩やかで、火の性質は速い。だから水が物に入るとき、火によって速くなります。水には定まった気があり、火には定まった気がありません。だから火は剛いものに付けば剛く、柔らかいものに付けば柔らかくなります。水は柔らかいものに入り、剛いものには入りません。
解説
水と火の性質を、対比しながら細かく分けます。緩と速、定まりの有無、そして入る相手の違い。火は付いた相手に染まり、水は相手を選ぶ。同じ元素でも性格がまるで違うという観察です。人に当てはめれば、相手に染まる型と相手を選ぶ型の違いとしても読める一段になっています。相手に染まる型と、相手を選ぶ型の違いとしても読めます。
この章句が説くこと
水火性質定気浸透対比
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