呻吟語 / 内篇・性命・性に二無く、氣質に著けば便ち雜る
水無渣,著土便濁;火無氣,著木便煙。性無二,著氣質便雜。
新字:水無渣,著土便濁;火無気,著木便煙。性無二,著気質便雑。
書き下し
水に渣無し、土に著けば便ち濁る。火に氣無し、木に著けば便ち煙る。性に二無し、氣質に著けば便ち雜る。
現代語訳
水にはにごりがなく、土に触れればにごります。火には臭いがなく、木に触れれば煙ります。性には二つがなく、気質に宿れば混じります。
解説
三つの並びで、性と気質の関係が一息に説明されます。水そのものはにごらず、火そのものは煙らない。にごりも煙も、触れた相手から来るのです。同じように性は本来一つなのに、気質に宿ると混じり物が出る。前の長論で立てた二本立てが、わずか二十八字の比喩に畳み込まれています。悪の出どころを性のせいにしない言い方でもあります。
この章句が説くこと
水土火木性気質混入
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