呻吟語 / 外篇・天地・自然之を為す
曰:明陽為之。陰陽誰為之?曰:自然為之。
書き下し
曰く、陰陽之を為す。陰陽は誰か之を為す。曰く、自然之を為す。
現代語訳
答えて言う。陰陽がそうさせています。では陰陽は誰がそうさせているのか。答えて言う。自然がそうさせています。
解説
前の段の問いに、二段で答えます。陰陽がそうさせ、その陰陽は自然がそうさせている。そして自然の先は問われません。ここで問いが止まるのがこの段の要点で、意思や目的をその先に置かないという立場の表明になっています。天に人格を読み込まない姿勢が、短い問答で示されています。天に人格を読み込まない姿勢が、短い問答で示されています。
この章句が説くこと
陰陽自然問い無目的終点
関連する章句
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『呻吟語』外篇・天地・陰陽は萬物に原と相干せず萬物は陰陽に生じ、陰陽に死す。陰陽は萬物に於て原と相干せず、其の自然に任するのみ。雨は物を潤さんと欲するに非ず、旱は物を熯さんと欲するに非ず、風は物を撓さんと欲するに非ず、雷は物を震はんと欲するに非ず。陰陽は其の氣の自然に任せて、萬物之に因りて以て生死するのみ。若し心有りて化を成さば、則ち寒暑災樣其の正を得て、乃ち天心を見んか。
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『呻吟語』外篇・天地・自然を奪ふ者は、惟だ至誠天地は全く張主せず、陰陽に任す。陰陽は全く擺佈せず、自然に任す。世の人の趨避祈禳は徒らに自ら苦しむのみ。其の自然を奪ふ者は、惟だ至誠なり。
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『呻吟語』外篇・天地・之に因るのみ天地の萬物に於けるは、之に因るのみ、分毫も與らざるなり。
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『呻吟語』外篇・天地・自然・當然・不得不然自然を之れ天と謂ひ、當然を之れ天と謂ひ、不得不然を之れ天と謂ふ。陽亢れば必ず旱し、久しく旱すれば必ず陰り、久しく陰れば必ず雨ふり、久しく雨ふれば必ず晴る。此れを之れ自然と謂ふ。君尊く臣卑しく、父坐して子立ち、夫唱へて婦隨ひ、兄友にして弟恭なり。此れを之れ當然と謂ふ。小は大に役せられ、弱は強に役せられ、貧は富に役せられ、賤は貴に役せらる。此れを之れ不得不然と謂ふ。
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『呻吟語』外篇・天地・天何をか尤めて之を怨まん天地既に人物を生ずれば、則ち人物各おの一天地を具ふ。天地の天地は天地に由るを得るも、人物の天地は天地に由るを得ず。人各おの其の氣質の天地に任せて無涯に至れば、其の降衷の天地は澌盡に幾し。天地も亦た之を如何ともする無きのみ。其の吉凶禍福は率ね自ら造るに由る。天何をか尤めて之を怨まん。
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『呻吟語』外篇・天地・久しく陰なれば則ち權は雨に在り風は惟だ其の吹拂を知るのみ、雨は惟だ其の淋漓を知るのみ、雪は惟だ其の嚴凝を知るのみ、水は惟だ其の流行を知るのみ、火は惟だ其の燔灼を知るのみ。足らざれば則ち息を屏めて各おの其の用を藏し、餘り有れば則ち猖狂して各おの其の性を恣にす。卒然として感ずれば則ち強き者勝つ。兩軍交戰して、相下りて後已むが若し。是の故に久しく陰なれば則ち權は雨に在りて、日月明を為し難く、久しく旱なれば則ち權は風に在りて、雲雨澤を為し難し。以て水火霜雪に至るまで皆な然らざる莫し。誰か之を為す。