呻吟語 / 内篇・養生・無價の藥、不名の醫
愚愛談醫,久則厭之,客言及者,告之曰:「以寡慾為四物,以食淡為二陳,以清心省事為四君子。無價之藥,不名之醫,取諸身而已。」
新字:愚愛談医,久則厭之,客言及者,告之曰:「以寡慾為四物,以食淡為二陳,以清心省事為四君子。無価之薬,不名之医,取諸身而已。」
書き下し
愚は醫を談ずるを愛す。久しければ則ち之を厭ふ。客の言ひ及ぶ者には、之に告げて曰く、「慾を寡くするを以て四物と為し、食を淡くするを以て二陳と為し、心を清くし事を省くを以て四君子と為す。無價の藥、不名の醫は、諸を身に取るのみ」と。
現代語訳
私は医を語るのが好きでした。長くなれば飽きてきます。話が及ぶ客には、こう告げます。欲を減らすことを四物湯とし、食を淡くすることを二陳湯とし、心を清くし用事を減らすことを四君子湯とします。値の無い薬、名の無い医者は、自分の身から取るだけです。
解説
名高い三つの処方の名を借りて、生活の三つの心得を並べます。欲を減らす、食を淡くする、心を清くし事を減らす。どれも薬を飲まずにできることばかりです。そして値も名も無い薬は自分の身にあると結びます。医の言葉を借りて医を要らなくするという言い回しが、軽妙で覚えやすい一段になっています。医の言葉を借りて、医を要らなくする言い回しです。
この章句が説くこと
養生処方寡欲淡食省事
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