呻吟語 / 内篇・應務・懶ならず忙ならず
休忙休懶,不懶不忙。
書き下し
忙を休め懶を休め、懶ならず忙ならず。
現代語訳
忙しくするのをやめ、怠けるのをやめる。怠けもせず忙しくもしない。
解説
応務篇を締めくくる一句です。忙しさと怠けを、どちらも避けよと言います。前に出てきた、先に緩めば後で慌てるという段を思えば、二つは同じ一つの乱れの表と裏です。だから両方を同時にやめる。事に応ずる篇の長い議論が、最後に八字の平静さへ収まる構成になっています。忙しさと怠けは、同じ一つの乱れの表と裏です。だから両方を同時にやめるのであり、長い議論が最後に八字の平静さへ収まります。
この章句が説くこと
忙懶平静結び均衡
関連する章句
-
『呻吟語』内篇・應務・靜なる者は、動の母なり熱鬧の中に空しく老い了はる多少の豪傑ぞ。閒淡の滋味は惟だ聖賢のみ嘗め得出だす。熱鬧の時に當たるに及びても也た只だ這の閒淡の心を以て之に應ず。天下萬事萬物の理は都て是れ閒淡の中より求め來たり、熱鬧の處に使用す。是の故に、靜なる者は、動の母なり。
-
『呻吟語』内篇・應務・閑時無ければ那ぞ忙有らん才かに樂しき處に逢へば須らく苦を知るべし。既に閑時沒くんば那ぞ忙有らん。
-
『呻吟語』内篇・應務・從容閒暇の時を贏ち得る君子の事に應じ物に接するは、常に心中に從容閒暇の時有るを贏ち得れば便ち好し。若し應酬の時に勞擾し、應酬せざる時に牽掛せば、極めて是れ累を吃ふなり。
-
『呻吟語』内篇・應務・果決の人は忙しきに似たり果決の人は忙しきに似たるも、心中常に餘閒有り。因循の人は閒なるに似たるも、心中常に餘累有り。
-
『呻吟語』内篇・應務・只だ安詳の二字を消得す天下の事に處するは、只だ安詳の二字を消得す。兵は神速を貴ぶと雖も、也た須らく此の二字より做し出づべし。然れども安詳は遲緩の謂ひに非ず。從容詳審にして奮發を凝定の中に養ふのみ。
-
『呻吟語』内篇・應務・閒暇に心を留めず閒暇の時に心を留めて成らざれば、倉卒の時に手を措くを得ず。胡亂に支吾して、其の成敗に任せ、或いは悔い或いは悔いず、事過ぎて後依然として昨の如し。世の人此の如き者は、百人にして百なり。