呻吟語 / 内篇・應務・再び別人の為に一分を認む
舉世囂囂兢兢不得相安,只是抵死沒自家不是耳。若只把自家不是都認,再替別人認一分,便是清寧世界,兩忘言矣。
新字:舉世囂囂兢兢不得相安,只是抵死没自家不是耳。若只把自家不是都認,再替別人認一分,便是清寧世界,両忘言矣。
書き下し
舉世囂囂兢兢として相安んずるを得ざるは、只だ是れ死に抵るまで自家の不是沒きのみ。若し只だ自家の不是を把りて都て認め、再び別人の為に一分を認めば、便ち是れ清寧の世界にして、兩つながら言を忘れん。
現代語訳
世を挙げてやかましく張り合い、互いに安んじられないのは、ただ死ぬまで自分に非が無いことにしているからです。もし自分の非をすべて認め、さらに他人のぶんを一分引き受ければ、それはもう澄んで安らかな世界であり、双方とも言葉を忘れられます。
解説
争いの原因を、非を認めないことに絞ります。そして解決を二段で示します。自分の非を全部認め、さらに相手のぶんを一分引き受ける。一分多く引き受けるという余分が、この段の肝でしょう。ちょうど半分ずつでは境目で争いが残ります。双方が言葉を忘れるという結びも、争いが消えた状態をよく表しています。一分多く引き受けるという余分が、この段の肝でしょう。
この章句が説くこと
自責一分争い余分和解
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