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呻吟語 / 内篇・修身・一たび認むれば兩過都て無し

有過是一過,不肯認過又是一過。一認則兩過都無,一不認則兩過不免。彼強辯以飾非者,果何為也?

新字:有過是一過,不肯認過又是一過。一認則両過都無,一不認則両過不免。彼強弁以飾非者,果何為也?

書き下し

過ち有るは是れ一過なり、過ちを認むるを肯んぜざるは又た是れ一過なり。一たび認むれば則ち兩過都て無く、一たび認めざれば則ち兩過免れず。彼の強辯して以て非を飾る者は、果たして何為るぞや。

現代語訳

過ちがあるのが一つの過ちであり、その過ちを認めようとしないのがもう一つの過ちです。一度認めれば二つの過ちがどちらも消え、認めなければ二つとも免れません。あの強弁して非を取り繕う者は、いったい何をしているのでしょうか。

解説

過ちを二重に数えることで、認めることの得を計算で示します。認めれば二つとも消え、認めなければ二つとも残る。どちらが得かは明らかです。強弁して取り繕う人は、一つ減らそうとして二つ抱えている。損得の勘定として示されているので、謝れという道徳の話より動きやすい形になっています。認めるのは弱さではなく、勘定の上で最も得な手です。取り繕う人は、一つ減らそうとして二つ抱え込んでいます。
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この章句が説くこと

過ち認める強弁損得二重

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