呻吟語 / 内篇・應務・只だ是れ個の盡の字
予平生做事發言,有一大病痛,只是個盡字,是以無涵蓄,不渾厚,為終身之大戒。
新字:予平生做事発言,有一大病痛,只是個尽字,是以無涵蓄,不渾厚,為終身之大戒。
書き下し
予平生事を做し言を發するに、一の大病痛有り。只だ是れ個の盡の字なり。是を以て涵蓄無く、渾厚ならず。終身の大戒と為す。
現代語訳
私は生涯、事をなし言葉を発するのに、一つの大きな病があります。ただ尽くすという一字です。そのために含みが無く、厚みがありません。生涯の大きな戒めとしています。
解説
自分の病を一字に絞ります。尽くすこと。言い尽くし、やり尽くしてしまうので、含みも厚みも残らない。前に出てきた、人の情を言い尽くさず過ちを数え尽くさないという段の、実行できない側からの告白です。美点に見える徹底ぶりが、そのまま欠点になるという自己診断で、戒めとして書き留められています。美点に見える徹底ぶりが、そのまま欠点になるのです。
この章句が説くこと
尽くす含み厚み自己診断戒め
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