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呻吟語 / 内篇・應務・事を見るは易く、事に任ずるは難し

見事易,任事難。當局者只怕不能實見得,果實見得,則死生以之,榮辱以之,更管甚一家非之,全國非之,天下非之。

新字:見事易,任事難。当局者只怕不能実見得,果実見得,則死生以之,栄辱以之,更管甚一家非之,全国非之,天下非之。

書き下し

事を見るは易く、事に任ずるは難し。當局者は只だ實に見得る能はざるを怕る。果たして實に見得れば、則ち死生も之を以てし、榮辱も之を以てし、更に甚ぞ一家之を非とし、全國之を非とし、天下之を非とするを管せん。

現代語訳

事を見るのは易しく、事を引き受けるのは難しい。当事者はただ、本当に見えていないことだけを恐れます。もし本当に見えていれば、生き死にもそれに賭け、栄辱もそれに賭け、一家が非難しようと国じゅうが非難しようと天下が非難しようと、構うことはありません。

解説

見ることと引き受けることの差を示したうえで、恐れるべき一点を指定します。本当に見えているかどうか。見えていれば、生死も栄辱も賭けられるし、非難の数も問題になりません。前に出てきた、批判で中止するのは定見が無いからだという段と同じ主張が、当事者の側から述べられた一段になっています。恐れるべき一点を指定した、当事者向けの一段です。

この章句が説くこと

当事者見通し引き受け非難覚悟

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