呻吟語 / 内篇・應務・淡泊を以て自ら處る
爭利起於人各有欲,爭言起於人各有見。惟君子以淡泊自處,以知能讓人,胸中有無限快活處。
新字:争利起於人各有欲,争言起於人各有見。惟君子以淡泊自処,以知能譲人,胸中有無限快活処。
書き下し
利を爭ふは人各おの欲有るに起こり、言を爭ふは人各おの見有るに起こる。惟だ君子のみ淡泊を以て自ら處り、知能を以て人に讓る。胸中に無限の快活の處有り。
現代語訳
利を争うのは人それぞれに欲があるから起こり、言葉を争うのは人それぞれに見方があるから起こります。ただ君子だけがあっさりした暮らしに身を置き、知恵と能力を人に譲ります。胸の中に限りない快さがあります。
解説
争いの原因を、欲と見方という二つの源に分けます。どちらも人に備わっているので、無くなることはありません。だから解決は争い方の工夫ではなく、そもそも土俵に乗らないことになります。淡泊に身を置き、知能を譲る。そして得られるのが胸の中の快さだと示されるので、我慢ではなく実益として描かれています。我慢ではなく、実益として描かれているのが特徴です。
この章句が説くこと
争い欲見方淡泊譲る
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