呻吟語 / 内篇・談道・萬物は性に生じ、情に死す
萬物生於性,死於情。故上智去情,君子正情,眾人任情,小人肆情。夫知情之能死人也,則當遊心於淡泊無味之鄉,而於世之所欣戚趨避,漠然不以嬰其慮,則身苦而心樂,感殊而應一。其所不能逃者,與天下同;其所了然獨得者,與天下異。
新字:万物生於性,死於情。故上智去情,君子正情,眾人任情,小人肆情。夫知情之能死人也,則当遊心於淡泊無味之鄉,而於世之所欣戚趨避,漠然不以嬰其慮,則身苦而心楽,感殊而応一。其所不能逃者,与天下同;其所了然独得者,与天下異。
書き下し
萬物は性に生じ、情に死す。故に上智は情を去り、君子は情を正しくし、眾人は情に任せ、小人は情を肆にす。夫れ情の能く人を死せしむるを知らば、則ち當に心を淡泊無味の鄉に遊ばしめ、而して世の欣戚趨避する所に於いて、漠然として以て其の慮を嬰らはさざるべし。則ち身は苦しめども心は樂しく、感は殊にして應は一なり。其の逃るる能はざる所の者は、天下と同じ。其の了然として獨り得る所の者は、天下と異なる。
現代語訳
万物は本性から生まれ、情によって死にます。ですから最上の智者は情を去り、君子は情を正しくし、多くの人は情に任せ、小人は情をほしいままにします。情が人を死なせることを知れば、心を淡くあっさりした味わいのない場所に遊ばせ、世の人が喜び悲しみ追い求め避けることに、漠然として心を煩わせないでしょう。そうすれば身は苦しくても心は楽しく、感じるものはさまざまでも応じ方は一つです。逃れられないものについては天下の人と同じで、はっきりと独り得たものについては天下の人と異なります。
解説
情との付き合い方が四段に分けられます。去る、正す、任せる、ほしいままにする。上から下へ並び、多くの人は三番目です。そして到達の姿が描かれます。身は苦しくても心は楽しく、感じるものはさまざまでも応じ方は一つ。最後の対句が要点で、避けられない苦は皆と同じに受けるが、内に得たものは皆と違う、と。境遇ではなく内側で差がつくという結論です。
この章句が説くこと
性情四段淡泊身心独得
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