呻吟語 / 内篇・應務・死友の過ちを彰す
彰死友之過,此是第一不仁。生而告之也,望其能改,彼及聞之也,尚能自白,死而彰之,夫何為者?雖實過也,吾為掩之。
新字:彰死友之過,此是第一不仁。生而告之也,望其能改,彼及聞之也,尚能自白,死而彰之,夫何為者?雖実過也,吾為掩之。
書き下し
死友の過ちを彰すは、此れは是れ第一の不仁なり。生きて之に告ぐるは、其の能く改むるを望めばなり。彼の之を聞くに及ぶや、尚ほ能く自ら白くす。死して之を彰すは、夫れ何為る者ぞ。實に過ちなりと雖も、吾之を掩はん。
現代語訳
死んだ友の過ちを言い立てるのは、第一の不仁です。生きている間に告げるのは、改められるのを望むからです。相手がそれを聞けば、まだ自分で潔白を示すこともできます。死んでから言い立てるのは、いったい何のためでしょうか。たとえ本当に過ちであっても、私はそれを覆い隠します。
解説
死者の過ちを暴くことを、最も不仁だと断じます。理由が明快で、生前なら改められるし弁明もできるが、死後には何もできないからです。だから言い立てる目的が無い。そして実際に過ちであっても覆い隠すと宣言します。真実であるかどうかではなく、言って何になるのかで判断する。批評の作法を示した一段です。真実かどうかではなく、言って何になるかで判断しています。
この章句が説くこと
死者批評不仁目的隠す
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