呻吟語 / 内篇・應務・人を責むるは含蓄を要す
責人要含蓄,忌太盡;要委婉,忌太直;要疑似,忌太真。
新字:責人要含蓄,忌太尽;要委婉,忌太直;要疑似,忌太真。
書き下し
人を責むるは含蓄を要す、太だ盡くすを忌む。委婉を要す、太だ直きを忌む。疑似を要す、太だ真なるを忌む。
現代語訳
人を責めるには、含みを持たせることが必要で、言い尽くすのは避けます。回りくどくすることが必要で、まっすぐすぎるのは避けます。そうかもしれないという程度にすることが必要で、はっきり言い当てるのは避けます。
解説
叱責の作法を、三つの組で示します。含みを持たせる、回りくどくする、断定しない。いずれも、言い尽くさないという同じ方向です。前に出てきた、人を論ずるには厚みを帯びよという段と同じ主張ですが、こちらは避けるべき形まで並べられているので、実行の際の目安として使えます。避けるべき形まで並ぶので、実行の目安として使えます。
この章句が説くこと
叱責含蓄婉曲断定加減
関連する章句
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『呻吟語』内篇・應務・人の情を盡くさず、人の過ちを盡くさず理を論ずるは精詳なるを要し、事を論ずるは剴切なるを要し、人を論ずるは須らく二三分の渾厚を帶ぶべし。若し人情に切中すれば、人必ず堪へ難し。故に君子は人の情を盡くさず、人の過ちを盡くさず。直だ禍を遠ざくるのみに非ず、亦た以て人に掩飾の路を留め、人の悔悟の機に觸れ、人の體面の餘を養ふ。亦た天地涵蓄の氣なり。
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『呻吟語』内篇・應務・責善の六戒善を責むるは其の人の何如を看るを要す。其の人善を以て責む可くんば、又た當に自ら長を善くし失を救ふの道を盡くすべし。其の忌む所を指摘する無かれ、其の失する所を盡數する無かれ、人に對する無かれ、峭直なる無かれ、長言する無かれ、累言する無かれ。此の六戒を犯さば、忠告と雖も、善道に非ざるなり。其の聽かれざれば、我も亦た且つ過ち有り。何を以て人を責めん。
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『呻吟語』内篇・應務・責むるは太だ盡くす可からず人情は天下古今の同じき所なり。聖人は其の肆なるを防ぎ、特に之が為に中を立てて以て之を的とす。故に法を立つるは太だ極む可からず、禮を制するは太だ嚴なる可からず、人を責むるは太だ盡くす可からず。然る後に以て同じく道に歸す可し。然らずんば、是れ之を驅りて畔かしむるなり。
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『呻吟語』内篇・應務・七つの責めざる卑幼に過ち有らば、其の責讓する所以の者を慎め。眾に對しては責めず、愧悔すれば責めず、暮夜には責めず、飲食を正しくすれば責めず、歡慶を正しくすれば責めず、悲憂を正しくすれば責めず、疾病には責めず。