呻吟語 / 内篇・應務・物の底蓋有るが然り
日用酬酢,事事物物要合天理人情。所謂合者,如物之有底蓋然,方者不與圓者合,大者不與小者合,欹者不與正者合。
新字:日用酬酢,事事物物要合天理人情。所謂合者,如物之有底蓋然,方者不与円者合,大者不与小者合,欹者不与正者合。
書き下し
日用の酬酢は、事事物物天理人情に合ふを要す。所謂る合とは、物の底蓋有るが然るが如し。方なる者は圓なる者と合はず、大なる者は小なる者と合はず、欹なる者は正なる者と合はず。
現代語訳
日々のやり取りは、事ごと物ごとに天の理と人の情に合っていることが必要です。合うというのは、器に底と蓋があるようなものです。四角いものは丸いものと合わず、大きいものは小さいものと合わず、傾いたものはまっすぐなものと合いません。
解説
合うということの中身を、器の蓋にたとえます。形も大きさも傾きも一致しなければ合わない。だいたい合っているでは駄目だという厳密さです。日々のやり取りにこの精度を求めるのは厳しいようですが、次の段でさらに細かく説明されます。抽象的な天理人情を、蓋と器という手触りのある像に翻訳した一段です。だいたい合っているでは駄目だという、厳密さです。
この章句が説くこと
適合器蓋精度天理
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