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呻吟語 / 内篇・應務・不覺にして我に同歸す

到一處問一處風俗,果不大害,相與循之,無與相忤。果於義有妨,或不言而默默轉移,或婉言而徐徐感動,彼將不覺而同歸於我矣。若疾言厲色,是己非人,是激也,自家取禍不惜,可惜好事做不成。

新字:到一処問一処風俗,果不大害,相与循之,無与相忤。果於義有妨,或不言而黙黙転移,或婉言而徐徐感動,彼将不覚而同帰於我矣。若疾言厲色,是己非人,是激也,自家取禍不惜,可惜好事做不成。

書き下し

一處に到れば一處の風俗を問ふ。果たして大害ならざれば、相與に之に循ひ、與に相忤ふこと無かれ。果たして義に妨ぐる有らば、或いは言はずして默默として轉移し、或いは婉言して徐徐として感動せしめば、彼將に覺えずして我に同歸せんとす。若し疾言厲色し、己を是とし人を非とせば、是れ激するなり。自家禍を取るは惜しまざるも、好事を做し成さざるを惜しむ可し。

現代語訳

新しい土地に着けば、その土地の風俗を尋ねます。大きな害が無ければ、共にそれに従い、逆らわないことです。もし義に差し支えがあるなら、言わずに黙って移していくか、穏やかな言葉で少しずつ心を動かせば、相手は気づかないうちにこちらと同じ方へ来ます。もし激しい言葉と厳しい顔つきで、自分を正しいとし人を間違いとすれば、それは相手を激することです。自分が禍を招くのは惜しくありませんが、良い事が成らないのが惜しい。

解説

赴任先での改革の手順を示します。まず風俗を尋ね、害が無ければ従う。差し支えがあれば黙って移すか、穏やかに動かす。激しく正せば相手を激するだけです。そして最後の一句が印象的で、自分が禍を受けるのは構わないが、良い事が成らないのが惜しいと言う。目的を自分の正しさではなく成果に置いた一段です。目的を、自分の正しさではなく成果に置いた一段です。

この章句が説くこと

赴任風俗改革穏やか成果

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