呻吟語 / 内篇・應務・小を忽せにすれば大を失ふ
世間事各有恰好處,慎一分者得一分,忽一分者失一分,全慎全得,全忽全失。小事多忽,忽小則失大;易事多忽,忽易則失難。存心君子自得之體驗中耳。
新字:世間事各有恰好処,慎一分者得一分,忽一分者失一分,全慎全得,全忽全失。小事多忽,忽小則失大;易事多忽,忽易則失難。存心君子自得之体験中耳。
書き下し
世間の事は各おの恰好の處有り。一分を慎む者は一分を得、一分を忽せにする者は一分を失ふ。全く慎めば全く得、全く忽せにすれば全く失ふ。小事は多く忽せにす、小を忽せにすれば則ち大を失ふ。易事は多く忽せにす、易を忽せにすれば則ち難を失ふ。存心の君子は自ら體驗の中に之を得るのみ。
現代語訳
世の中の事には、それぞれちょうど良いところがあります。一分慎む者は一分を得て、一分疎かにする者は一分を失います。すべて慎めばすべて得て、すべて疎かにすればすべて失います。小さな事は疎かにされがちで、小を疎かにすれば大を失います。易しい事も疎かにされがちで、易を疎かにすれば難を失います。心を保つ君子は、自分の体験の中からこれを掴みます。
解説
慎みと得るものが、一分単位で対応すると言います。そして疎かにされやすい二つが挙げられます。小さな事と易しい事。どちらも軽く見て当然のものばかりで、そこから大と難が崩れていく。比例関係で示されているので、手を抜いた分だけ失うという実感が湧きやすい一段になっています。手を抜いた分だけ失うという実感が、湧きやすい形です。
この章句が説くこと
慎み比例小事易事損失
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