呻吟語 / 内篇・談道・明者は少を以て多と為す
輕重只在毫釐,長短只爭分寸。明者以少為多,昏者惜零棄頓。
新字:軽重只在毫釐,長短只争分寸。明者以少為多,昏者惜零棄頓。
書き下し
輕重は只だ毫釐に在り、長短は只だ分寸を爭ふ。明者は少を以て多と為し、昏者は零を惜しみて頓を棄つ。
現代語訳
重さの違いは毛ほどの所にあり、長さの違いは分や寸を争います。賢い者はわずかを多いものとして扱い、暗い者は端数を惜しんで、まとまった分を捨ててしまいます。
解説
わずかな差が結果を分けるという前半に、人の扱い方の差を重ねます。賢い者は少しを多いと見て大事にし、暗い者は端数にこだわって大きな分を取り落とす。値切りに夢中で好機を逃すような場面を思えば分かりやすいでしょう。小さなものを大事にするのと、小さなものにこだわるのは違う。同じ細かさが、方向によって正反対に働くのです。
この章句が説くこと
微差精度損得判断目先
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