呻吟語 / 内篇・應務・仇人の辭色と恩人の狀態
禍莫大於不仇人而有仇人之辭色,恥莫大於不恩人而詐恩人之狀態。
新字:禍莫大於不仇人而有仇人之辞色,恥莫大於不恩人而詐恩人之状態。
書き下し
禍は人を仇とせずして仇人の辭色有るより大なるは莫し。恥は人に恩あらずして恩人の狀態を詐るより大なるは莫し。
現代語訳
禍で、相手を仇と思っていないのに仇のような言葉つきや顔色をすることより大きなものはありません。恥で、相手に恩を施していないのに恩人らしい様子を装うことより大きなものはありません。
解説
実態と表れのずれを、二つの方向で示します。仇と思っていないのに仇のような態度を取るのは損、恩が無いのに恩人の顔をするのは恥。どちらも中身が無いのに形だけがあるという点で同じです。前者は敵を作り、後者は見透かされる。表情と態度が実態を離れて独り歩きする危うさを、二つの極端で示した一段です。表情と態度が実態を離れて独り歩きする危うさを突いています。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
態度実態ずれ仇恩
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