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呻吟語 / 内篇・應務・一錯すれば便ち是れ死生の關

妙處先定不得,口傳不得,臨事臨時,相幾度勢,或只須色意,或只須片言,或用疾雷,或用積陰,務在當可,不必彼覺,不必人驚,卻要善持善發,一錯便是死生關。

新字:妙処先定不得,口伝不得,臨事臨時,相幾度勢,或只須色意,或只須片言,或用疾雷,或用積陰,務在当可,不必彼覚,不必人驚,却要善持善発,一錯便是死生関。

書き下し

妙處は先づ定め得ず、口もて傳へ得ず。事に臨み時に臨み、幾を相て勢を度る。或いは只だ色意を須ひ、或いは只だ片言を須ひ、或いは疾雷を用ひ、或いは積陰を用ふ。務めて當可に在り、必ずしも彼をして覺らしめず、必ずしも人をして驚かしめず。卻って善く持し善く發するを要す。一たび錯すれば便ち是れ死生の關なり。

現代語訳

妙なるところは、あらかじめ決められず、口で伝えることもできません。事に臨み時に臨んで、兆しを見て勢いを測ります。あるときは顔色と意だけを用い、あるときは一言だけを用い、あるときは激しい雷のように、あるときは長く曇るように用います。要はふさわしいところに当たることで、相手に気づかせる必要も、人を驚かせる必要もありません。ただ上手に保ち、上手に発することが必要です。ひとたび誤れば、それが生き死にの分かれ目です。

解説

最も肝心なところは、事前に決められず言葉でも伝えられないと言います。だから四つの例だけが示されます。顔色、一言、激しい雷、長い曇り。強弱も速さもばらばらで、共通するのはその場でふさわしいかどうかだけです。前に出てきた、十通りの手を機に合わせよという段と同じ主張が、より緊迫した調子で述べられています。
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この章句が説くこと

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