呻吟語 / 内篇・修身・五つの奮ふ力
猥繁拂逆,生厭噁心,奮守耐之力;柔豔芳濃,生沾惹心,奮跳脫之力;推挽衝突,生隨逐心,奮執持之力;長途末路,生衰歇心,奮鼓舞之力;急遽疲勞,生苟且心,奮敬慎之力。
新字:猥繁払逆,生厭噁心,奮守耐之力;柔豔芳濃,生沾惹心,奮跳脫之力;推挽衝突,生随逐心,奮執持之力;長途末路,生衰歇心,奮鼓舞之力;急遽疲労,生苟且心,奮敬慎之力。
書き下し
猥繁拂逆は、厭惡心を生ず、守耐の力を奮へ。柔豔芳濃は、沾惹心を生ず、跳脫の力を奮へ。推挽衝突は、隨逐心を生ず、執持の力を奮へ。長途末路は、衰歇心を生ず、鼓舞の力を奮へ。急遽疲勞は、苟且心を生ず、敬慎の力を奮へ。
現代語訳
煩わしく逆らうことが多ければ嫌気が生じます。守り耐える力を奮い立たせなさい。柔らかく艶やかで香り濃いものはまとわりつく心を生じます。抜け出す力を奮い立たせなさい。押し引きぶつかり合えば流される心を生じます。守り通す力を奮い立たせなさい。長い道の終わりでは衰え止まる心を生じます。鼓舞する力を奮い立たせなさい。急ぎ疲れれば間に合わせの心を生じます。敬い慎む力を奮い立たせなさい。
解説
五つの状況と、そこで生じる心、そして当てるべき力を三つ組で並べます。煩わしさには忍耐、誘惑には離脱、圧力には堅持、終盤には鼓舞、疲労には慎み。状況ごとに必要な力が違うと示すことで、気合いという一語で片づけない構成になっています。とくに最後の、疲れた時こそ慎みという組み合わせが実際的です。気合いという一語で片づけない、状況別の処方です。
この章句が説くこと
状況対処忍耐誘惑疲労
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