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呻吟語 / 内篇・應務・此れを至愚と謂ふ

我不能寧耐事,而令事如吾意,不則躁煩;我不能涵容人,而令人如吾意,不則譴怒。如是則終日無自在時矣,而事卒以僨,人卒以怨,我卒以損,此謂至愚。

書き下し

我事に寧耐する能はずして、事をして吾が意の如くならしむ。然らずんば躁煩す。我人を涵容する能はずして、人をして吾が意の如くならしむ。然らずんば譴怒す。是の如くんば則ち終日自在の時無し。而して事卒に以て僨れ、人卒に以て怨み、我卒に以て損す。此れを至愚と謂ふ。

現代語訳

自分が事に耐えられずに、事を自分の思い通りにさせようとする。そうでなければ苛立ちます。自分が人を容れられずに、人を自分の思い通りにさせようとする。そうでなければ叱り怒ります。こうなれば一日中くつろぐ時がありません。そして事は結局壊れ、人は結局怨み、自分は結局損をします。これを至って愚かと言います。

解説

思い通りにしようとする態度の代価を、三つ数え上げます。事は壊れ、人は怨み、自分は損する。しかも一日中くつろげません。四つ全部が損なので、至って愚かと呼ばれます。原因は耐える力と容れる力の不足に置かれており、相手を変えようとするのは自分の不足の裏返しだという診断になっています。相手を変えようとするのは、自分の不足の裏返しです。

この章句が説くこと

支配忍耐包容損失至愚

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