呻吟語 / 内篇・應務・鷗鳥は漁父の機を知る
上士會意,故體人也以意,觀人也亦以意。意之感人也深於骨肉,怠之殺人也毒於斧鉞。鷗鳥知漁父之機,會意也,可以人而不如鷗乎?至於征色發聲而不觀察,則又在色斯舉矣之下。
新字:上士会意,故体人也以意,観人也亦以意。意之感人也深於骨肉,怠之殺人也毒於斧鉞。鷗鳥知漁父之機,会意也,可以人而不如鷗乎?至於征色発声而不観察,則又在色斯舉矣之下。
書き下し
上士は意を會す。故に人を體するに意を以てし、人を觀るに亦た意を以てす。意の人を感ぜしむるや骨肉より深く、怠の人を殺すや斧鉞より毒なり。鷗鳥は漁父の機を知る、意を會すればなり。人を以てして鷗に如かざる可けんや。色に征れ聲に發するに至りて觀察せざれば、則ち又た色斯に舉がるの下に在り。
現代語訳
上等の士は意を汲みます。だから人を体するのに意を用い、人を観るのにも意を用います。意が人を感じ入らせることは肉親より深く、怠りが人を殺すことは斧や鉞より毒です。鷗は漁師の企みを察します。意を汲むからです。人でありながら鷗に及ばなくてよいでしょうか。顔色に出て声に発してからようやく気づくようでは、鳥が気配で飛び立つのより下です。
解説
言葉になる前の意を汲む力を、最上の士の条件とします。そして鷗の逸話を引きます。捕まえようという気を起こした途端、鷗は寄らなくなった。人が鳥に劣ってよいのかと問い、さらに顔色や声に出てから気づくのでは鳥以下だと畳みかけます。察しの遅さを、鳥との比較で恥じさせる構成になっています。察しの遅さを、鳥との比較で恥じさせる構成です。
この章句が説くこと
察し意鷗気配洞察
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