呻吟語 / 内篇・應務・人と當たる無ければ反って以て禍を速く
參苓歸芪本益人也,而與身無當,反以益病;親厚懇切本愛人也,而與人無當,反以速禍,故君子慎焉。
新字:参苓帰芪本益人也,而与身無当,反以益病;親厚懇切本愛人也,而与人無当,反以速禍,故君子慎焉。
書き下し
參苓歸芪は本と人を益するなり。而れども身と當たる無ければ、反って以て病を益す。親厚懇切は本と人を愛するなり。而れども人と當たる無ければ、反って以て禍を速く。故に君子は焉を慎む。
現代語訳
人参や茯苓や当帰や黄耆は、もともと人の益になる薬です。しかし体に合わなければ、かえって病を増します。親しく厚くねんごろなのは、もともと人を愛することです。しかし相手に合わなければ、かえって禍を早めます。だから君子は慎みます。
解説
良い薬でも体に合わなければ害になる、という医学の常識から始めます。そして同じ理屈を、親切に当てはめます。厚い情も相手に合わなければ禍を招く。善意そのものではなく、相手との適合が問われているのが要点です。前に出てきた、相手の情に都合の悪いところは避けよという段と同じ主張で、こちらは薬の比喩で分かりやすくなっています。
この章句が説くこと
薬適合親切禍慎み
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