呻吟語 / 内篇・應務・一個の苟の字が世界を支吾す
而今只一個苟字支吾世界,萬事安得不廢弛?
新字:而今只一個苟字支吾世界,万事安得不廃弛?
書き下し
而今只だ一個の苟の字が世界を支吾す。萬事安くんぞ廢弛せざるを得んや。
現代語訳
今はただ間に合わせという一字が、世の中を取り繕っています。万事がどうして廃れ緩まずにいられるでしょうか。
解説
世の乱れを、苟という一字に帰します。間に合わせで取り繕っているだけだから、あらゆることが緩む。前に出てきた、敬とは間に合わせにしないことだという定義と裏表になっています。一字で世相を診断してみせる手際が鮮やかで、しかも処方もその一字を裏返すだけだと分かる形になっています。短いぶん、自分の仕事にも当てはめやすい一行です。
この章句が説くこと
苟間に合わせ世相廃弛診断
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