呻吟語 / 内篇・應務・久しき時と得る時と相鄰る
當需莫厭久,久時與得時相鄰。若憤其久也,而決絕之,是不能忍於斯須,而甘棄前勞,坐失後得也。此從事者之大戒也。若看得事體審,便不必需,即需之久,亦當速去。
新字:当需莫厭久,久時与得時相鄰。若憤其久也,而決絶之,是不能忍於斯須,而甘棄前労,坐失後得也。此従事者之大戒也。若看得事体審,便不必需,即需之久,亦当速去。
書き下し
需つに當たりては久しきを厭ふ莫かれ。久しき時と得る時と相鄰る。若し其の久しきを憤りて之を決絕せば、是れ斯須に忍ぶ能はずして、前勞を甘棄し、後得を坐失するなり。此れ事に從ふ者の大戒なり。若し事體を看得ること審らかならば、便ち必ずしも需たず。即ち之を需つこと久しくとも、亦た當に速やかに去るべし。
現代語訳
待つべきときには、長いことを嫌ってはいけません。長くなった時と、得られる時は隣り合っています。もし長いことに腹を立てて断ち切れば、わずかの間を耐えられずに、これまでの労を捨て、後で得られるものを座して失うことになります。これが事に従う者の大きな戒めです。ただし事の姿がはっきり見えているなら、待つ必要はありません。長く待っていたとしても、速やかに去るべきです。
解説
待つことの心得を二段で示します。長くなった時ほど得られる時が近いので、苛立って切るのは損。しかし見極めがついたなら、どれだけ待っていても即座に去れ、と。前半だけなら粘れという話ですが、後半の但し書きで、待つことが惰性にならないよう釘を刺しています。待つことが惰性にならないよう、後半で釘を刺しています。前半だけなら粘れという話に読めてしまうからでしょう。
この章句が説くこと
待つ忍耐損切り見極め惰性
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