呻吟語 / 内篇・應務・松柏は生ずるに小さくして便ち直し
正直之人能任天下之事。其才、其守小事自可見。若說小事且放過,大事到手才見擔當,這便是飾說,到大事定然也放過了。松柏生,小便直,未有始曲而終直者也。若用權變時另有較量,又是一副當說話。
新字:正直之人能任天下之事。其才、其守小事自可見。若説小事且放過,大事到手才見担当,這便是飾説,到大事定然也放過了。松柏生,小便直,未有始曲而終直者也。若用権変時另有較量,又是一副当説話。
書き下し
正直の人は能く天下の事に任ず。其の才、其の守は小事に自ら見る可し。若し小事は且く放過し、大事手に到りて才かに擔當を見ると說はば、這れ便ち是れ飾說なり。大事に到れば定然として也た放過し了はらん。松柏は生ずるに小さくして便ち直し。未だ始め曲がりて終はりに直き者有らざるなり。
現代語訳
正直な人は天下の事を任せられます。その才と守りは、小さな事にも自ずと現れます。もし小事はひとまず見過ごし、大事が手に来て初めて引き受けぶりが見えるのだと言うなら、それは取り繕いです。大事が来ても必ず見過ごすでしょう。松や柏は生えたばかりの小さいうちからまっすぐです。初めは曲がっていて終わりにまっすぐになったものはありません。
解説
人物の見極めを、小事に求めます。大事になれば違うという弁解を、取り繕いだと断じるのが厳しいところです。そして松柏の例が添えられます。小さいうちからまっすぐで、途中から直った例は無い。前に出てきた、士君子は貧しく暮らしていてもまっすぐだという段と同じ主張で、こちらは観察の側から述べられています。人物の見極めを、小事に求めた一段になっています。
この章句が説くこと
小事人物一貫松柏見極め
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