呻吟語 / 内篇・應務・遠近長短上下左右皆な宜し
凡酌量天下大事,全要個融通周密,憂深慮遠。營室者之正方面也,遠視近視,日有近視正而遠視不正者;較長較短,曰有准於短而不准於長者;應上應下,曰有合於上而不合於下者;顧左顧右,曰有協於左而不協於右者。既而遠近長短上下左右之皆宜也,然後執繩墨、運木石、鳩器用以定萬世不拔之基。今之處天下事者,粗心浮氣,淺見薄識,得其一方而固執以求勝。以此圖久大之業,為治安之計,難矣。
新字:凡酌量天下大事,全要個融通周密,憂深慮遠。営室者之正方面也,遠視近視,日有近視正而遠視不正者;較長較短,曰有准於短而不准於長者;応上応下,曰有合於上而不合於下者;顧左顧右,曰有協於左而不協於右者。既而遠近長短上下左右之皆宜也,然後執縄墨、運木石、鳩器用以定万世不抜之基。今之処天下事者,粗心浮気,浅見薄識,得其一方而固執以求勝。以此図久大之業,為治安之計,難矣。
書き下し
凡そ天下の大事を酌量するは、全て個の融通周密、憂深慮遠なるを要す。室を營む者の方面を正すや、遠視近視す。曰く近視して正しきも遠視して正しからざる者有りと。長を較べ短を較ぶ。曰く短に准ありて長に准あらざる者有りと。上に應じ下に應ず。曰く上に合ひて下に合はざる者有りと。左を顧み右を顧む。曰く左に協ひて右に協はざる者有りと。既にして遠近長短上下左右の皆な宜しきなり。然る後に繩墨を執り、木石を運び、器用を鳩めて以て萬世不拔の基を定む。
現代語訳
およそ天下の大事を測るには、すべて融通が利き行き届き、憂いが深く慮りが遠いことが必要です。家を建てる者が向きを正すとき、遠くからも近くからも見ます。近くから見て正しくても、遠くから見ると正しくない場合があるからです。長さを比べ短さを比べます。短いほうに合っていても長いほうに合わない場合があるからです。上に応じ下に応じます。上に合っても下に合わない場合があるからです。左を見て右を見ます。左に適っても右に適わない場合があるからです。そうして遠近も長短も上下も左右もみなふさわしくなる。その後に墨縄を執り、木石を運び、道具を集めて万世に揺るがない礎を定めます。
解説
この章句が説くこと
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