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呻吟語 / 内篇・應務・乘とは幾を知るの謂ひ

善用力者就力,善用勢者就勢,善用智者就智,善用財者就財,夫是之謂乘。乘者,知幾之謂也。失其所乘,則倍勞而力不就,得其所乘,則與物無忤,於我無困,而天下享其利。

新字:善用力者就力,善用勢者就勢,善用智者就智,善用財者就財,夫是之謂乗。乗者,知幾之謂也。失其所乗,則倍労而力不就,得其所乗,則与物無忤,於我無困,而天下享其利。

書き下し

善く力を用ふる者は力に就き、善く勢を用ふる者は勢に就き、善く智を用ふる者は智に就き、善く財を用ふる者は財に就く。夫れ是れを之れ乘と謂ふ。乘とは、幾を知るの謂ひなり。其の乘る所を失へば、則ち倍勞して力就らず。其の乘る所を得れば、則ち物と忤ふ無く、我に困しむ無くして、天下其の利を享く。

現代語訳

上手に力を用いる者は力に就き、上手に勢いを用いる者は勢いに就き、上手に智を用いる者は智に就き、上手に財を用いる者は財に就きます。これを乗ると言います。乗るとは、兆しを知ることです。乗るところを失えば、倍の労力をかけても力が及びません。乗るところを得れば、物に逆らわず、自分も苦しまず、天下がその利を受けます。

解説

すでにある力、勢い、智、財に乗ることを、乗という一字で示します。そして乗るとは兆しを知ることだと定義します。乗る所を間違えれば倍の労力で届かず、正しければ誰も苦しまずに利が行き渡る。前に出てきた因の一字と近い考え方で、自分の力ではなく既にあるものを起点にするという構えです。自分の力ではなく、既にあるものを起点にする構えです。

この章句が説くこと

兆し労力

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