呻吟語 / 内篇・應務・畢竟只だ一可有るのみ
天下有兩可之事,非義精者不能擇。若到精處,畢竟只有一可耳。
新字:天下有両可之事,非義精者不能択。若到精処,畢竟只有一可耳。
書き下し
天下に兩可の事有り。義精しき者に非ざれば擇ぶ能はず。若し精處に到らば、畢竟只だ一可有るのみ。
現代語訳
天下にはどちらでもよいという事があります。義に精しい者でなければ選べません。しかし精しいところまで至れば、結局はどちらか一つしか可はありません。
解説
どちらでもよいという状態を、判断が粗いことの印だと見ます。精しく詰めていけば必ず一つに決まる。つまり迷いは選択肢の性質ではなく、こちらの分解能の問題だということです。決めきれない案件を前にしたとき、もう一段細かく見よという促しになります。前に出てきた、疑いは基準が二つあるからだという段と通じます。決めきれない案件を前に、もう一段細かく見よという促しです。
この章句が説くこと
両可分解能判断義迷い
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『管子』形勢解聖人の事を求むるや、先ず其の理義を論じ、其の可否を計る。故に義なれば則ち之を求め、不義なれば則ち止む。可なれば則ち之を求め、不可なれば則ち止む。故に其の得る所の事なる者は、常に身の寳と為る。小人の事を求むるや、其の理義を論ぜず、其の可否を計らず。不義なるも亦た之を求め、不可なるも亦た之を求む。故に其の得る所の事なる者は、未だ嘗て賴と為らざるなり。故に曰く、「必ず得るの事は賴むに足らざるなり」と。聖人の諾するや、先ず其の理義を論じ、其の可否を計る。義なれば則ち諾し、不義なれば則ち已む。可なれば則ち諾し、不可なれば則ち巳む。故に其の諾は未だ嘗て信ならずんばあらざるなり。小人は不義なるも亦た諾し、不可なるも亦た諾す。言えば而ち必ず諾す、故に其の諾未だ必ずしも信ならざるなり。故に曰く、「必ず諾するの言は信ずるに足らざるなり」と。
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