呻吟語 / 内篇・應務・愛人と惡人
古人愛人之意多,今日惡人之意多。愛人,故人易於改過;而視我也常親,我之教常易行;惡人,故人甘於自棄,而視我也常仇,我之言益不入。
新字:古人愛人之意多,今日悪人之意多。愛人,故人易於改過;而視我也常親,我之教常易行;悪人,故人甘於自棄,而視我也常仇,我之言益不入。
書き下し
古人は人を愛するの意多く、今日は人を惡むの意多し。人を愛すれば、故に人は過ちを改むるに易く、而して我を視るや常に親しく、我の教へは常に行はれ易し。人を惡めば、故に人は自ら棄つるに甘んじ、而して我を視るや常に仇にして、我の言は益ます入らず。
現代語訳
昔の人には人を愛する気持ちが多く、今の人には人を憎む気持ちが多い。人を愛すれば、相手は過ちを改めやすく、こちらを親しく見るので、こちらの教えも行われやすくなります。人を憎めば、相手は自分を投げ出すことに甘んじ、こちらを仇と見るので、こちらの言葉はいよいよ入らなくなります。
解説
愛と憎しみを、効果の面から比べます。愛すれば相手は改めやすく教えが通り、憎めば相手は投げやりになり言葉が入らない。どちらが正しいかではなく、どちらが効くかで論じているので反論しにくい形です。人を正そうとする熱意が、憎しみの形をとった瞬間に無力になるという指摘になっています。熱意が憎しみの形をとった瞬間に、無力になるのです。
この章句が説くこと
愛憎効果教化反発無力
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