呻吟語 / 内篇・應務・柔にして人を善に挽く
柔而從人於惡,不若直而挽人於善;直而挽人於善,不若柔而挽人於善之為妙也。
新字:柔而従人於悪,不若直而挽人於善;直而挽人於善,不若柔而挽人於善之為妙也。
書き下し
柔にして人に從ひて惡を為すは、直にして人を善に挽くに若かず。直にして人を善に挽くは、柔にして人を善に挽くの妙爲るに若かず。
現代語訳
柔らかく人に従って悪をなすのは、まっすぐに人を善へ引くのに及びません。まっすぐに人を善へ引くのは、柔らかく人を善へ引く妙には及びません。
解説
柔と直の組み合わせを、三段で並べます。柔で悪、直で善、そして柔で善。最上は柔らかさと正しさの両立です。直で善を引くのは立派ですが、角が立つぶん届きにくい。柔らかさそのものが悪いのではなく、何に向かって使うかが問題だという整理で、前に出てきた、理が直くても婉やかに出せという段とつながります。柔らかさそのものではなく、向かう先が問題なのです。
この章句が説くこと
柔直善導組み合わせ角最上
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