呻吟語 / 内篇・應務・奈之何ぞ其れ自ら用ふるや
三者之所長,謀事之資也,奈之何其自用也?
書き下し
三者の長ずる所は、事を謀るの資なり。奈之何ぞ其れ自ら用ふるや。
現代語訳
三者それぞれの長けたところは、事を謀るための資本です。それなのに、どうして自分一人の考えを用いるのでしょうか。
解説
前の段で挙げた三種の人を、資本と呼び直します。速く分かる者、類推が利く者、考え抜く者。どれも別の価値を持つのだから、集めて使えばよい。それなのに自分一人の頭に頼るのはなぜかと問いかけて終わります。前に出てきた、天下の耳目を用いれば凡人でも愚かにならないという段と、同じ主張です。速さが違うだけで、いずれ届く人を集めよということです。
この章句が説くこと
衆知資本自用人材活用
関連する章句
-
論語・雍也篇子游、武城の宰と為る。子曰く、「女、人を得たるか。」曰く、「澹台滅明なる者有り。行くに径に由らず。公事に非ざれば、未だ嘗て偃の室に至らざるなり。」
-
論語・泰伯篇舜に臣五人有りて、天下治まる。武王曰く、「予に乱臣十人有り。」孔子曰く、「『才難し』とは、其れ然らずや。唐虞の際、斯に於いて盛んなりと為す。婦人有り、九人のみ。天下を三分して其の二を有ち、以て殷に服事す。周の徳は、其れ至徳と謂う可きのみ。」
-
孫子・作戦篇其の戦を用うるや、勝つを貴ぶ。久しければ則ち兵を鈍らせ鋭を挫き、城を攻むれば則ち力屈し、久しく師を暴せば則ち国用足らず。
-
尉繚子・武議良馬も策有れば、遠道致すべし。賢士も合有れば、大道明らかにすべし。
-
『韓非子』難二第三十七桓公曰く、「吾聞く、人に君たる者は人を索むるに労し、人を使うに佚すと。吾仲父を得ること已に難し。仲父を得るの後、何為れぞ易からざらんや。」
-
論語・衛霊公篇子曰く、君子は小知す可からずして、大受す可きなり。小人は大受す可からずして、小知す可きなり。