呻吟語 / 内篇・問學・中淺狹にして養ひ厚からざる者
萬金之賈,貨雖不售不憂;販夫閉門數曰,則愁苦不任矣。凡不見知而慍,不見是而悶,皆中淺狹而養不厚者也。
新字:万金之賈,貨雖不售不憂;販夫閉門数曰,則愁苦不任矣。凡不見知而慍,不見是而悶,皆中浅狭而養不厚者也。
書き下し
萬金の賈は、貨售れずと雖も憂へず。販夫は門を閉ざすこと數日なれば、則ち愁苦任へず。凡そ知られずして慍み、是とせられずして悶ゆるは、皆な中淺狹にして養ひ厚からざる者なり。
現代語訳
万金を扱う商人は、品物が売れなくても憂えません。振り売りの者は、数日店を閉めれば苦しくてたまりません。およそ人に知られずに憤り、認められずに塞ぐのは、みな内側が浅く狭く、養いが厚くない者です。
解説
評価を求める気持ちを、商いの規模で説明します。蓄えのある商人は数日売れなくても平気だが、その日暮らしの者は数日で行き詰まる。認められないと苦しいのは、内側の蓄えが薄いからだ、と。人からの評価を、日銭のように必要としている状態が見えてきます。論語の、知られずとも憤らないという句の、経済的な注釈になっています。
この章句が説くこと
評価蓄え浅狭養い商い
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