呻吟語 / 内篇・問學・只だ是れ孔門一個の仁の字
余講學只主六字,曰天地萬物一體。或曰:「公亦另立門戶耶?」曰:「否。只是孔門一個仁字。」
新字:余講学只主六字,曰天地万物一体。或曰:「公亦另立門戸耶?」曰:「否。只是孔門一個仁字。」
書き下し
余の講學は只だ六字を主とす。曰く天地萬物一體なりと。或るひと曰く、「公も亦た另に門戶を立つるか」と。曰く、「否。只だ是れ孔門一個の仁の字なり」と。
現代語訳
私が学を講ずるとき、主とするのは六字だけです。天地万物は一体である、というものです。ある人が言いました。あなたもまた別の一派を立てるのですか。答えて言う。いいえ。ただ孔子の門にある仁の一字です。
解説
自分の主張を六字に絞ったうえで、新流派を立てたのではないかという問いに答えます。あれは仁の一字にすぎない、と。前に出てきた、我は只だ我なりという段で学派の名札を拒んだ人が、ここでは自分の主張を古い一字に帰しています。新奇さを避ける姿勢が一貫しており、要約と謙譲が同時に働いた一段です。新奇さを避ける姿勢が、ここでも一貫しています。
この章句が説くこと
一体仁要約流派孔門
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