呻吟語 / 内篇・問學・偏氣勝ち易し
二分寒暑之中也,晝夜分停,多不過七、八日;二至寒暑之偏也,晝夜偏長,每每二十三日。始知中道難持,偏氣易勝,天且然也。故堯舜毅然曰允執,蓋以人事勝耳。
新字:二分寒暑之中也,昼夜分停,多不過七、八日;二至寒暑之偏也,昼夜偏長,毎毎二十三日。始知中道難持,偏気易勝,天且然也。故堯舜毅然曰允執,蓋以人事勝耳。
書き下し
二分は寒暑の中なり、晝夜分停す。多くも七、八日に過ぎず。二至は寒暑の偏なり、晝夜偏長す。每々二十三日なり。始めて知る、中道は持し難く、偏氣は勝ち易きことを。天すら且つ然り。故に堯舜毅然として允執と曰ふ。蓋し人事を以て勝つのみ。
現代語訳
春分と秋分は寒暑の中で、昼夜が等しく分かれます。それも多くて七日八日にすぎません。夏至と冬至は寒暑の偏りで、昼夜が偏って長くなります。それぞれ二十三日ほどあります。ここで初めて分かります。中道は保ちにくく、偏った気は勝ちやすいのです。天でさえそうなのです。だから堯舜は毅然として、まことに中を執れと言いました。人の努力によって勝つほかないのです。
解説
一年の日数を数えて、中と偏りの割合を示します。昼夜が等しい時期はわずか七、八日、偏る時期は二十三日ずつ。天のめぐりでさえ偏りのほうが長いのだから、人が中を保つのは難しくて当然だ、と。そのうえで堯舜の允執厥中という言葉に、人の努力で勝つという意味を読み取ります。観測から倫理を導く、珍しい論法です。観測から倫理を導くという、珍しい論法になっています。
この章句が説くこと
中道偏り二至二分天努力
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