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呻吟語 / 内篇・問學・學は擇ぶ有るを貴ぶ

羅百家者,多浩瀚之詞;工一家者,有獨詣之語。學者欲以有限之目力,而欲竟其律涯;以鹵莽之心思,而欲探其蘊奧,豈不難哉?故學貴有擇。

新字:羅百家者,多浩瀚之詞;工一家者,有独詣之語。学者欲以有限之目力,而欲竟其律涯;以鹵莽之心思,而欲探其蘊奥,豈不難哉?故学貴有択。

書き下し

百家を羅ぬる者は、浩瀚の詞多し。一家に工みなる者は、獨詣の語有り。學者限り有るの目力を以て、其の律涯を竟へんと欲し、鹵莽の心思を以て、其の蘊奧を探らんと欲す。豈に難からずや。故に學は擇ぶ有るを貴ぶ。

現代語訳

百家を並べ立てる者には、広大で雑多な言葉が多い。一家に長けた者には、独自に到達した言葉があります。学ぶ者が限りある目の力で、その果てまで見尽くそうとし、粗い心づかいでその奥深さを探ろうとする。難しいに決まっています。だから学問は選ぶことを貴びます。

解説

広く並べた書と、一つを究めた書を比べます。前者は量が多いだけ、後者には独自の到達がある。そして限りある目と粗い心で全部を追うのは無理だとし、選べと結論します。読書の配分を説いた段と同じ主題ですが、ここでは目の力という有限の資源から論じられており、選ばざるを得ないという必然になっています。目の力という有限の資源から、選ぶ必然が導かれています。
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