呻吟語 / 内篇・問學・室家の中に妻子に厭はれず
屋漏之地可服鬼神,室家之中不厭妻子,然後謂之真學、真養。勉強於大庭廣眾之中,幸一時一事不露本象,遂稱之曰賢人,君子恐未必然。
新字:屋漏之地可服鬼神,室家之中不厭妻子,然後謂之真学、真養。勉強於大庭広眾之中,幸一時一事不露本象,遂称之曰賢人,君子恐未必然。
書き下し
屋漏の地に鬼神を服せしめ、室家の中に妻子に厭はれず、然る後に之を真學・真養と謂ふ。大庭廣眾の中に勉強し、幸ひに一時一事本象を露はさざるを、遂に之を稱して賢人と曰ふ。君子恐らくは未だ必ずしも然らず。
現代語訳
人目の届かない部屋の隅で鬼神をも納得させ、家の中で妻子に嫌われない。そうであって初めて本当の学び、本当の養いと言います。大勢の前で無理をして、たまたま一時一事だけ本来の姿を出さずに済んだ者を、それで賢人と呼ぶ。君子は必ずしもそうは思わないでしょう。
解説
本物かどうかを測る場所を二つ挙げます。誰も見ていない部屋の隅と、家の中。どちらも取り繕いが効かず、長く続くので嘘が保ちません。そして人前で一度取り繕えただけの者を賢人と呼ぶ世間を、静かに否定します。前に出てきた、家の法は奥の間で測るという段と同じ基準が、ここでも繰り返されています。人前で一度取り繕えただけの者を賢人と呼ぶ世間を、静かに否定しています。
この章句が説くこと
屋漏家庭本物取り繕い判定
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