呻吟語 / 内篇・修身・性分の固有と職分の當為
學者只把性分之所固有,職分之所當為;時時留心,件件努力,便駸駸乎聖賢之域。非此二者,皆是對外物,皆是妄為。
新字:学者只把性分之所固有,職分之所当為;時時留心,件件努力,便駸駸乎聖賢之域。非此二者,皆是対外物,皆是妄為。
書き下し
學者は只だ性分の固有する所、職分の當に為すべき所を把りて、時時心に留め、件件努力すれば、便ち駸駸乎として聖賢の域たり。此の二つの者に非ざれば、皆な是れ外物に對し、皆な是れ妄りに為すなり。
現代語訳
学ぶ者はただ、本性としてもともと備わっているものと、職務としてなすべきことを取り上げて、常に心に留め、一件ごとに努力すれば、それだけで速やかに聖賢の域に進みます。この二つでなければ、みな外の物に向き合っているだけで、みな妄りにしていることです。
解説
力を注ぐ場所を二つに限定します。本性に備わっているものと、職務としてなすべきこと。それ以外はすべて外物への対応であり妄りな行いだと切り捨てます。厳しい線引きですが、逆に言えばこの二つさえ守れば聖賢の域に進めるという励ましでもあります。前に出てきた性分と職分は己に在るという段と、同じ整理の延長にあります。
この章句が説くこと
性分職分集中外物選別
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