呻吟語 / 内篇・問學・時として學ばざる無し
事事有實際,言言有妙境,物物有至理,人人有處法,所貴乎學者,學此而已。無地而不學,無時而不學,無念而不學,不會其全、不詣其極不止,此之謂學者。今之學者果如是乎?
新字:事事有実際,言言有妙境,物物有至理,人人有処法,所貴乎学者,学此而已。無地而不学,無時而不学,無念而不学,不会其全、不詣其極不止,此之謂学者。今之学者果如是乎?
書き下し
事事に實際有り、言言に妙境有り、物物に至理有り、人人に處法有り。學者に貴ぶ所は、此れを學ぶのみ。地として學ばざる無く、時として學ばざる無く、念として學ばざる無し。其の全を會せず、其の極に詣らざれば止まず。此れを之れ學者と謂ふ。今の學者は果たして是の如きか。
現代語訳
事ごとに実際があり、言葉ごとに妙なる境地があり、物ごとに至った理があり、人ごとに応じ方があります。学ぶ者に求められるのは、これを学ぶことだけです。学ばない場所は無く、学ばない時は無く、学ばない思いは無い。全体を会得し、極みに至るまで止まりません。これを学ぶ者と言います。今の学ぶ者は、はたしてこの通りでしょうか。
解説
学ぶ対象を、事と言葉と物と人の四つに広げます。書物はどこにも出てきません。そして場所も時も思いも、学ばない瞬間が無いとします。学問を机の上から引き剥がし、生活の全面へ広げた一段です。最後の問いかけが効いていて、今の学ぶ者はどうかと読者に返す形で終わっています。学問を机の上から引き剥がし、生活の全面へ広げた一段です。書物という語が一度も出てこないのも、意図的でしょう。
この章句が説くこと
日常全面学問事物人
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