呻吟語 / 内篇・問學・誆騙と何ぞ異ならん
今之為舉子文者,遇為學題目,每以知行作比。試思知個甚麼?行個甚麼?遇為政題目,每以教養作比。試問做官養了那個?教了那個?若資口舌浮談,以自致其身,以要國家寵利,此與誆騙何異?吾輩宜惕然省矣。
新字:今之為舉子文者,遇為学題目,毎以知行作比。試思知個甚麼?行個甚麼?遇為政題目,毎以教養作比。試問做官養了那個?教了那個?若資口舌浮談,以自致其身,以要国家寵利,此与誆騙何異?吾輩宜惕然省矣。
書き下し
今の舉子の文を為る者は、學を為むるの題目に遇へば、每に知行を以て比を作す。試みに思へ、個の甚麼を知り、個の甚麼を行ふかを。政を為むるの題目に遇へば、每に教養を以て比を作す。試みに問ふ、官を做して那個をか養ひ、那個をか教へしかと。若し口舌浮談に資りて、以て自ら其の身を致し、以て國家の寵利を要むれば、此れ誆騙と何ぞ異ならん。吾輩宜しく惕然として省むべし。
現代語訳
今の科挙の受験文を書く者は、学問の題が出れば必ず知と行で対句を作ります。試しに考えてみなさい。何を知り、何を行ったのかと。政の題が出れば必ず教と養で対句を作ります。試しに問うてみなさい。官に就いて誰を養い、誰を教えたのかと。もし口先の浮ついた議論で身を立て、国家の寵と利を求めるなら、これは詐欺と何が違うでしょうか。我々は恐れ入って省みるべきです。
解説
試験の答案に並ぶ立派な言葉を、実際の行いと突き合わせます。知行と書いた者は何を知り何を行ったか、教養と書いた者は誰を教え誰を養ったか。答えられなければ、その文で得た地位は詐欺と同じだ、と。書いた言葉と自分の実績を照合するという検査は、今の履歴書や企画書にもそのまま当てはまります。書いた言葉と実績を突き合わせる検査は、今も有効です。
この章句が説くこと
科挙答案実績詐欺照合
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