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塩鉄論 / 散不足篇

「古者、凶年不備、豐年補敗、仍舊貫而不改作。今工異變而吏殊心、壞敗成功、以匿厥意。意極乎功業、務存乎面目。積功以市譽、不恤民之急。田野不辟、而飾亭落、邑居丘墟、而高其郭。

新字:「古者、凶年不備、豊年補敗、仍旧貫而不改作。今工異変而吏殊心、壊敗成功、以匿厥意。意極乎功業、務存乎面目。積功以市誉、不恤民之急。田野不辟、而飾亭落、邑居丘墟、而高其郭。

書き下し

古者、凶年には備えず、豐年に敗を補い、舊貫に仍りて改め作らず。今工は變を異にして吏は心を殊にし、成功を壞敗して、以て厥の意を匿す。意は功業を極むるに乎てし、務めは面目を存するに乎てす。功を積みて以て譽を市い、民の急を恤まず。田野辟けずして、亭落を飾り、邑居丘墟にして、其の郭を高くす。

現代語訳

昔は、凶作の年には新しく事業を起こさず、豊作の年に傷んだところを補い、これまでのやり方を踏襲して作り替えなかった。いまは職人が奇をてらった変更を加え、役人はそれぞれ別の思惑を持ち、すでに出来上がっているものを壊しては、自分の意図を隠す。心は事業の功を極めることに向かい、務めは体裁を保つことに向かう。功を積み上げて名声を買い、民の急場を憐れまない。田野は開墾されないのに、あずまやを飾る。町は荒れ果てているのに、外壁だけを高くする。

解説

散不足篇のなかで、唯一まっすぐ役人に向けられた一段です。そしてこれが最も現代的でしょう。**すでに出来上がっているものを壊す**——前任者の仕事を作り替えて自分の功にする。功を積んで名声を買い、民の急場は顧みない。締めの二句が痛烈です。田野は開かれていないのにあずまやを飾り、町は荒れているのに外壁だけを高くする。**見える成果と、必要な成果がずれている**。予算と評価が絡む場所では、いまも同じことが起きます。

この章句が説くこと

田野辟けずして亭落を飾る功を積みて以て誉を市う意は功業を極め務めは面目を存す実績体裁評価

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